「感謝メガネ ― 幸せはすぐそこにある」岡村佳明著【⑥ゆりこ】
幸せは、探すものではなく、気づくものでした
SNSや口コミで感動が広がっている『人生は感謝するほどうまくいく』。
本編から生まれた、もうひとつのスピンオフストーリーが本作です。
「心の視界」がクリアに変わる感謝の魔法を、岡村佳明さんが全8回でお届けします。
さあ、あなたも「感謝メガネ」をかけてみませんか?
[連載第6回]





第6回/全8回
『感謝メガネ ー幸せはすぐそこにあるー』
6 ゆりこ
「修司、ゆりこさんが来たわよー」
母が2階の修司の部屋に向かって、大きな声で言った。
「今行くよ~!」と言いながら、修司は階段をトントントンと勢いよくかけ降りた。
「ゆりこ、あがって」
「修司、ケガはどう?」
ゆりこの言葉がうれしい。キュンと胸にしみる。
修司を先に、ふたりは階段を上がって修司の部屋に行った。
6畳一間にベッドと机。
部屋には、小さいながらも自分専用のテレビもある。
壁には、伝説的なプロサーファーがビックウェーブに乗るポスター。
修司は、部屋の中央にあるローテーブルの脇へ、クッションをポンポンと並べた。
ゆりこから贈られたこのクッションは、修司のお気に入りだ。ふかふかした低反発タイプで、座り心地も申し分ない。
「ゆりこ、どうぞ」
「ありがとう」
「修司、ケガはどうなの?」
ゆりこがもう一度、聞いてきた。
「ありがとう!もうだいぶいいよ! それよりさ、また見たよ!」
「また見たって、例の夢? 私似の乙姫様の夢?」
少しふくれっ面のゆりこは妙にかわいくて、思わず抱きしめたくなる。
でもそんな心の内を見せないように、「あ、そうそう」と修司は普通っぽく言った。
「修司は、よっぽど乙姫様のことを考えてるのね」
「違うよ」と言う修司の笑顔を見たゆりこは、「安心した」という表情をした。
修司はちょっと興奮しながら、
「それにしてもこんな不思議なことってあるんだな。『竜宮城』の夢を3回もたて続けて見るなんてさ、浦島家に伝わる『因縁』というか『縁』があるのかなぁ」
と言った。
ゆりこは、机の上に置かれたサーフィン雑誌をパラパラとめくって「かっこいいね」などと言っていたが、修司の顔を見ると、こう言った。
「修司はね、きっと思ったことやイメージしたことを現実化する才能があるんだと思うよ。
私、どこかで読んだことがあるんだよ。
人間の脳ってさ、イメージしたことを現実化するように動くみたいだよ。
そのイメージや思いが強ければ強いほど、現実化しやすいというわけ。
だから、修司は竜宮城の夢を見ちゃうんだよ!
よっぽど乙姫様に会いたかったんじゃないの? もう知らない」
こう言っておどけるゆりこがかわいい。
(俺はゆりこが大切なのさ)
修司は心の中でそっとつぶやいた。
Yoshiaki Okamura 2026
【第7回「500年越しの恩返し」に続く】
【著者紹介】
岡村佳明(おかむら・よしあき)
「岡むら浪漫」グループ創業者
「浪漫岡村塾」塾長
JADA(日本能力開発分析)協会認定 SBT1級メンタルコーチ
JADA(日本能力開発分析)協会認定 SBTアスリートメンタルコーチ
小説家
1962(昭和37)年生まれ。
生まれも育ちも静岡県藤枝市。
母親が73年前(出版時)に始めた居酒屋を「稼業なら自由に遊べる」という不純な動機で手伝うことから、居酒屋の道に入る。
35歳でそれまで遊び回っていた生活から一念発起し、「居酒屋づくりは人づくり」「お腹だけでなく心も満腹にさせる店」を合言葉に、「看板を出さない・宣伝をしない・入口がわからない」をコンセプトとして口コミだけで繁盛店をつくり上げる。
お客さま本位のスタッフ育成に力を注ぎ、「岡むら浪漫は人間道場」といわれるようになる。
独自の経営がメディアでも注目を浴び、全国で講演などを行う。
現在も、静岡を中心に、沖縄、インドネシアのバリ島などで居酒屋経営に携わりつつ、60歳からは、それまでの「居酒屋から周りを元気に」から「岡村佳明から周りを元気に」、「日本を元気に」に主軸を移し、活動の幅を広げている。
著書に『人生は感謝するほどうまくいく』(美里出版)、『看板のない居酒屋』『マンガ 看板のない居酒屋[成長物語]』(みやたけし漫画)(ともに現代書林)がある。
◎岡村佳明 公式サイト https://okamura-school.com/
◎ポッドキャスト「看板のない居酒屋 ~繁盛店作りは人作り~岡村佳明」はapple Podcasts、Spotify、Amazon Musicのプラットフォームで視聴いただけます。
物語のベースとなった話題の電子書籍『人生は感謝するほどうまくいく』(岡村佳明著/美里出版)。
本編とあわせて読むと、より深く「感謝の魔法」を体感いただけます。

