【西田文郎×清水克衛】影響力を持ちたければ「質の高い本」を読め!|第1回 レベルの高い成功者になる読書とは?
「なぜ、本を読まないといけないの?」
こう聞かれて困った経験はありませんか?
今回の記事では、日本におけるイメージトレーニング研究指導のパイオニア、サンリ会長・西田文郎(にしだ ふみお)先生と、知る人ぞ知る非常識な書店、「読書のすすめ」代表・清水克衛(しみずかつよし)さんが登場!
「読書と成功の驚くほど深い関係」をテーマに議論をかわしていただきました。
異なる専門領域のお二人が展開する白熱の内容を、全3回でお届けします。
第1回/全3回
第1回 レベルの高い成功者になる読書とは?
人との出会い、本との出合いで人生は激変する!
清水克衛(「読書のすすめ」店主、以下敬称略、清水):
西田先生、今日は「影響力を持ちたければ質の高い本を読め!」ということで、お話をさせていたくのですが、やっぱり西田先生とご縁をいただいているおかげで、成功体質がすごくわかるというかですね。
うちは東京の江戸川区で「読書のすすめ」という本屋をやっているのですけれど、お客さんに本を勧めるんですね。
「四の五の言わずに読め」とか言うわけですけれども(笑)。
西田先生との出会いは、「読書のすすめ」をオープンして間もないころで、『NO.1理論』という本が出た時です。
『NO.1理論』を読んで、心のスイッチがパチンと入ったんです。
西田文郎(日本におけるイメージトレーニング研究指導のパイオニア、サンリ会長、以下敬称略、西田):
運命とは不思議だと思います。
「読書のすすめ」さんに『NO.1理論』を応援いただいて、そのあと『面白いほど成功するツキの大原則』が出て、そこから多くの本を出させていただきました。
「読書のすすめ」さんに出会っていなければ、これほどたくさんの本を出していなかったかもしれません。
清水:
ありがとうございます。
西田先生と出会って以来、「西田先生の本をもっともっと売るぞ!」と心に決めています。
どうしてかと言いますと、先生の本には流行のビジネス書には書いてない、成功の本質が、たくさん詰まっているんですよね。
西田:
私はこれまで70冊以上の本を書いてきましたが、「読書のすすめ」さんにはずっと応援していただいています。
昨年末(2023年)に出版された『他喜力(新装版)』では、清水さんに解説をお書きいただき、たくさんの方におすすめいただいています。
清水:
「読書のすすめ」を他喜力で立地のハンディを乗り越え、成功をつかんだ店として紹介してくださいました。
今回、『他喜力』の復刊記念の講演会をやらさせていただきたいと思い、お願いしましたら「いいよ」とご快諾くださり、2024年1月にドクスメの地元、篠崎で開催させていただきました。
この講演会で西田先生は「影響力を持ちたければ質の高い本を読め」とおっしゃっていますが、私も、本当にそのとおり、我が意を得たりとうなずきました。
このあたりのお話を、ぜひお聞かせいただけますか。
成功する人は必ず、読書が習慣になっている
西田:
私はこれまでかなり特殊な仕事をしてきましたので、多くの優秀な経営者とお会いしています。
成功する人には、ある共通点があります。
経営者だけではないのですが、成功者は必ず本を読む人だということです。
本を読まない成功者を、私は見たことがありません。
清水:
最近の、世の中の多くの人たちは効率、効率です。
自分で考えずに、すぐ答えが出るものが好まれる。
西田:
日本人の半数近くは本を読まないというのが、現実なんですね。
数年前の文化庁が公表した調査結果(*)が話題となりました。
1カ月に本をまったく読まない人が47%もいる。
この47%の中から、優秀な経営者は絶対に出てこないですよ。
1カ月に本を「1、2冊」読む人が37.6%、「3、4冊」が8.6%となっています。
その一方で、「5,6冊」と「7冊以上」がそれぞれ3.2%となっている。
つまり、1週間に2冊以上読んでいれば、日本での読書量でだいたい上位5%に入るんです。
(*文化庁「国語に関する世論調査」平成30年度 https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/index.html)
清水:
私なんかは、毎日5~10冊くらいは読んでます。
ほんと、大変なんですよ。
西田:
清水さんは、天然記念物のような人ですからね。
清水:
天然記念物は大切に保護していただきたいです(笑)
西田:
読書量が突き抜けて多い人というのは、読書が習慣になっている。
ちょっと時間があくと本を読む、電車の中でも読んでいる。
清水:
微差が大差になりますからね。
経営者として成功していくのは、知への執着心が強い人
西田:
成功したかったらどうしたらいいかと言うと、本を読むことです。
私はいつも「無知の知」と言っているのですが、「無知」から「無知の知」になることです。
清水:
ソクラテスですね。
西田:
そうです。
ソクラテスの「真の知に至る出発点は無知を自覚することにある」という考え方がありますよね。
私が大好きなアインシュタイン博士も「学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるかを思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる」という言葉を残しています。
「無知の知」が、今よりもっと高いレベルに行くための出発点なんです。
圧倒的な知への執着心の高い人が、経営者で成功するんですよ。
清水:
自分が無知であることを自覚するためには、いい本と出合わないとダメです。
西田:
そのとおり。
もし成功したいと思ったら、本を読まなきゃいかん。
「読書のすすめ」さんには、いろいろないい本が置かれています。
清水:
「『読書のすすめ』に置いてある本は難しくてわからない」と言われるんです。
けれど、いい本に書かれていることがわかってくると、読書が本当に面白くなるはずです。
やっぱりいい本を読んでいる人は、変わっていくのがわかります。
本を読んでもっと知恵を開発しようということなんですよね。
「社会的成功」と「人間的成功」の両方の本を読め
西田:
成功を目指す人に知っておいていただきたいことがあります。
それは、成功には「社会的成功」と「人間的成功」の2つがあるということです。
経営者のみなさんには、この2つの成功を両方とも目指すようにお伝えしてきました。
これまでの本にも書いています。
清水:
『天運の法則』にも書かれていますね。
西田:
はい。
あらためて少し説明すると「社会的成功」は競争原則になっていますから、非常に厳しい。
質の高い本を読んで知性を高めないと、競争には勝てません。
今は時代の変化のスピードがはやいですから、昔の理論は通用しなくなりました。
今の時代に通用する理論を学び続けないと、優秀な成功者にはならないということです。
ところが「社会的成功」だけでは、真の成功者にはなれないのです。
清水:
相反するような「人間的成功」も、同時に目指せということですね。
西田:
そうです。「人間的成功」とは己れの愚かさを知るということです。
自分の愚かさに気づいている人は、謙虚です。
何かを成し遂げても決して驕ることなく、人に感謝できます。
感謝できる人は、家族や友人、社員、取引先などとの人間関係も自然とよくなり、幸福感を得られます。
人間的にも成長できますよね。
清水:
本当ですね。
西田:
カネだカネだと「社会的成功」ばかりを追求している人は、たとえ大金持ちになったとしても幸福感は味わえない。
金儲けはダメだと言っているんじゃないんですよ。
金儲だけに強欲になるのではなく、同時に人間力も育てていただきたいとお伝えしているんです。
清水:
なんでも「当たり前」と思うのではなく「ありがたい」と思う。
そこに気づけば次元が変わる。
「社会的成功」と「人間的成功」の両方を目指すには何が必要でしょうか?
西田:
本気で「社会的成功」と「人間的成功」を目指すには覚悟が必要です。
難しい本を読んで知性を高めていただかないと、社会で優秀な成功者にはならない。
その訓練のために読書が必要なんです。
清水:
うちの店でおすすめしている『覚悟はよいか』という本があります。
「よし、やってやるぞ」っていう覚悟がなきゃ、先生がおっしゃっている魂では生きられませんね。
ぜひ、戦う魂を持っていただきたいと思って本を選んでいますよ。
西田:
清水さんは戦っていますからね。
私はよく書店に行きますが、多くの書店では「社会的成功」の本ばかりが並んでいるんですよ。
ところが「読書のすすめ」さんは違う。
知性を高める「社会的成功」と己れの愚かさを知る「人間的成功」、この両方の本が並んでいます。
だから、本気で「社会的成功」と「人間的成功」を目指すぞと思う人は、「読書のすすめ」さんに行くはずなんです。
清水:
おかげさまで、来年30周年なんですけれど。
西田:
ありがたいですよね、「読書のすすめ」さんがあってくれるから、質の高い深く考える本に出合えるんですよ。
【第2回「読む本の質と量で、なぜ脳が変わるのか?」に続く】
【第3回「なぜ脳は、深い読書で面白いことを考えるのか?」はコチラ】
西田文郎(にしだ・ふみお)
株式会社サンリ 会長
JADA能力開発分析協会 会長
西田会 会長
一般社団法人大和の会 会長
1949年生まれ。
日本におけるイメージトレーニング研究、指導のパイオニア。
1970年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、大脳生理学と心理学を利用して脳の機能にアプローチする画期的なノウハウ『スーパーブレイントレーニングシステム(SBT)』を構築し、スポーツ、ビジネス、そのほか多くの分野の能力開発に多数携わり、驚異的な実績を残している。
著書に『№1理論』『面白いほど成功するツキの大原則』『10人の法則』『№2理論』『天運の法則』『№1メンタルトレーニング』(現代書林)、『強運の法則』(日本経営合理化協会出版局)、『他喜力』(清談社)など多数ある。
西田文郎公式サイト https://nishida-fumio.com/
西田会 https://nishidakai.com/
一般社団法人大和の会 https://yamatonokai.com/
株式会社サンリ https://sanri.co.jp/
清水克衛(しみず・かつよし)
1961年生まれ。
書店「読書のすすめ」代表
逆のものさし講主宰
大学在学中に『竜馬が行く』(司馬遼太郎)を読み、突如として商人を志す。
大手コンビニエンスストアの店長を10年間務めたのち、1994年に会社設立、95年に「読書のすすめ」を東京都江戸川区に開業。
「その人が初めて読む本はすべて新刊」という信条のもと商いを続けた結果、全国からお客さんが訪れる繁盛店となる。
著書に『非常識な読書のすすめ』『「ブッダを読む人」は、なぜ繁盛してしまうのか』(現代書林)、『5%の人』『他助論』(サンマーク出版)、『魂の読書』(育鵬社)、『魂の燃焼へ』(執行草舟氏との共著、イーストプレス)など多数ある。
読書のすすめ https://dokusume.shop-pro.jp/
公式ブログ「清水克衛の日々是好日」https://ameblo.jp/dokusume/
読書のすすめ YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/@dokusume
本記事は「西田文郎先生特別講演会 脳と心と魂の秘密」(2024年1月28日)、「西田文郎先生特別講演会 1%の成功する人の脳の秘密」(2024年6月1日)にての、西田文郎先生と清水克衛氏の講演を収録、再編集したものです。
参考文献:『逆のものさし思考』清水克衛/エイチエス
writing:茂木美里