【西田文郎×清水克衛】影響力を持ちたければ「質の高い本」を読め!|第3回 なぜ脳は、深い読書で面白いことを考えるのか?
日本におけるイメージトレーニング研究指導のパイオニア、サンリ会長・西田文郎(にしだ ふみお)先生と、知る人ぞ知る非常識な書店、「読書のすすめ」代表・清水克衛(しみずかつよし)さんが「読書と成功の驚くほど深い関係」をテーマに議論をかわす第3回。
なぜ脳は、深い読書で面白いことを考えるのか? 読書と脳の秘密に迫る対談の最終回です。
第3回/全3回
第3回 なぜ脳は、深い読書で面白いことを考えるのか?
影響力が欲しければ、行動を重ねよ
西田:
「影響力を持ちたい」と言う若い人がいますよね。
いきなりはムリだと思うんですよ。
清水:
内容がないけれど売れてる本を読んで知った気になっている若者が、うちの店にもたくさん来ます。
話をすると屁理屈ばかりペラペラ話して「僕はもっと大きな影響力が欲しいんです」なんて言うもんですから「屁理屈はやめろ」ってポロっと言っちゃうんですけれどね。
そうしたら、大谷翔平君じゃないですけれど申告敬遠が増えまして(笑)
ドクスメスタッフの小川君に、いつも叱られています。
西田:
影響力は、いきなりは持てません。
影響力は求心力が働いたときに起こる現象ですからね。
求心力がないのに、影響力があるはずがない。
多くの人はこのことを理解しないで、影響力だけを得ようとするわけです。
清水:
はい、最近は自分の頭で考えないで、スグに答えを欲しがる傾向にあります。
それでは自分の力にならない。
そんな薄っぺらいことで、影響力が持てるはずがありません。
西田:
影響力を持つには、求心力を持たないといかん。
まず、求心力を起こす努力が必要だということです。
池に石をポチャンと投げると波紋ができますよね。
1つ投げただけだと小さな波紋ですが、いくつも投げ続けていると波紋が大きくなって、やがては向こう岸にぶつかって戻ってくる。
波紋が大きくなるまで、石を投げ続けるということです。
清水:
みんな考えなくなっている。
考えないで、わかったような気になっている。
西田:
わからないことがあれば、スマホで検索すればすぐに答えが出てきますから。
人間の脳の質が、変化してきているということです。
影響力が欲しければ「深く考える読書」をせよ
清水:
本当に人生を豊かにしてくれる本は、「答え」ではなく、質のよい「問い」のある本だと思います。
西田:
「問い」のある読書は、非常にいいですね。
実は人間の脳には、「浅い考え」と「深い考え」があるのです。
スマホを見ただけでわかったような気になっていると、物事を掘り下げて考えない人間になっていきます。表面思考、思いつき、単純思考になっていく。
脳の分野で申し上げると、物事を深く掘り下げて考え続けるというのは、脳の使い方が違うのです。
清水:
脳の使い方が違うんですね。
西田:
そうです。成功する人としない人がいる要因はそこにあります。
多くの人は、本を読んで信念を作るのではなく、要領を作ろうとしているんです。
清水:
本当に、そうだなと思います。
『逆のものさし思考』という本にも書いたのですが、私は「縦糸の読書」と言っているんですが、時代が変わっても本質が変わらない本を読むことを勧めています。
成功者といわれる人たちは、ビジネス書を読まずに歴史書だとか中国の古典、神道だとか、そういう本を読んでいらっしゃる。西田先生も、本当に幅広い読書をされていらっしゃる。まさに「縦糸の読書」です。
西田:
日本人だけが持っている2600年以上の歴史が、この国にはあります。
世界の国は、うらやましくて仕方がないんです。
日本の素晴らしさ、感謝の心をもっと学んでいただきたいですね。
清水:
ちゃんとした本を読んで、しっかりやろうぜという人が増えたらいいなと思っています。
日本人の生き方とか文化、日本で培われてきたいろいろなことが伝承されたらいいなと思って、私もがんばっているんです。
西田:
伝承伝達の本が、「読書のすすめ」さんにはある。
その人に合う本を勧めてくれますからね。
今の自分を超えるために「いつもと違う本」を読め
清水:
けれど先ほどもお話ししましたけれど、いくらおススメしても「いや、ちょっと難しそうで」って言われちゃうんですよ。
西田:
人間の脳というのは、深く考えるようになるほど、面白いことを考えるようになる。
清水:
先生、だからやっぱり、脳のことから考えても、「なんか難しくないですか」とか「難しすぎて読めないよ」なんてばっかり言ってちゃいけないってことですよね。
西田:
どういうことかと言うと、脳の中で「振り子の原則」が働くんです。
人の感情は「快」と「不快」、「苦」と「楽」などを行ったり来たりしている。
振り子ですから、振れる幅が大きいほど、反対側へ振れる力も大きくなる。
ですから、深く考えれば考えるほど、振り子で面白いことを考えるということになるのです。
清水:
皆さんも僕もそうなんですけれど、いい本を読んで面白いことをやっていきましょうよ。
「読書のすすめ」も本屋であって本屋であらず。
最近では変人扱いされていますが、「逆のものさし的思考」を取り入れて、皆さんがステージを上げていけるような本屋を目指しているんです。
西田:
「読書のすすめ」さんは本当に、ものすごいことをやってますよね。
清水:
ありがとうございます。最近になって「読書のすすめ」をやってきて、本当によかったなと思うんです。
本というのは自分だけで選んでいると、知らない間に片寄ってしまうんですよね。
自分の経験とか知識の中だけで、本を選ぶからです。
自分を広げるためには、人から勧められた本を素直に読むことが大切です。
「読書のすすめ」を信用していただいて、こういう本を読んでみようかなと挑戦してみてください。
今日は先生、ありがとうございました。
西田文郎(にしだ・ふみお)
株式会社サンリ 会長
JADA能力開発分析協会 会長
西田会 会長
一般社団法人大和の会 会長
1949年生まれ。
日本におけるイメージトレーニング研究、指導のパイオニア。
1970年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、大脳生理学と心理学を利用して脳の機能にアプローチする画期的なノウハウ『スーパーブレイントレーニングシステム(SBT)』を構築し、スポーツ、ビジネス、そのほか多くの分野の能力開発に多数携わり、驚異的な実績を残している。
著書に『№1理論』『面白いほど成功するツキの大原則』『10人の法則』『№2理論』『天運の法則』『№1メンタルトレーニング』(現代書林)、『強運の法則』(日本経営合理化協会出版局)、『他喜力』(清談社)など多数ある。
西田文郎公式サイト https://nishida-fumio.com/
西田会 https://nishidakai.com/
一般社団法人大和の会 https://yamatonokai.com/
株式会社サンリ https://sanri.co.jp/
清水克衛(しみず・かつよし)
1961年生まれ。
書店「読書のすすめ」代表
逆のものさし講主宰
大学在学中に『竜馬が行く』(司馬遼太郎)を読み、突如として商人を志す。
大手コンビニエンスストアの店長を10年間務めたのち、1994年に会社設立、95年に「読書のすすめ」を東京都江戸川区に開業。
「その人が初めて読む本はすべて新刊」という信条のもと商いを続けた結果、全国からお客さんが訪れる繁盛店となる。
著書に『非常識な読書のすすめ』『「ブッダを読む人」は、なぜ繁盛してしまうのか』(現代書林)、『5%の人』『他助論』(サンマーク出版)、『魂の読書』(育鵬社)、『魂の燃焼へ』(執行草舟氏との共著、イーストプレス)など多数ある。
読書のすすめ https://dokusume.shop-pro.jp/
公式ブログ「清水克衛の日々是好日」https://ameblo.jp/dokusume/
読書のすすめ YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/@dokusume
本記事は「西田文郎先生特別講演会 脳と心と魂の秘密」(2024年1月28日)、「西田文郎先生特別講演会 1%の成功する人の脳の秘密」(2024年6月1日)にての、西田文郎先生と清水克衛氏の講演を収録、再編集したものです。
参考文献:『逆のものさし思考』清水克衛/エイチエス
writing:茂木美里